『レイテ戦記』の感想と大岡昇平の文章に感じること

大岡昇平
『レイテ戦記』読了。やはりすごい本で、一回サラッと読んだだけでは何も把握できない。
とはいえこんなことを思いました。


2013年01月28日(月)[8]



大岡昇平「レイテ戦記」読了。大岡昇平の伝記もの、歴史小説系は全て読み終えてそのあまりの作者の顔見せ感の無さに何でこの本を書いたかわからない、科学系の知識本を読んだような読後感になるけどこれも変わらず。この不可解さ!これだけ書いて「夢の集約」と言い切る大岡昇平はやっぱり突き抜けてる
■00:18:24



結論を出さず、しかし読んでて記録だなと思わせるだけではなく、きちんと小説家的な場面解説とひひょうみたいな文も交えつつ、淡々と「記録にのこったこと」と「それからわかること」を書く…こんなことをただこれだけできてる人って他にいるのだろうか。執念としか思えないねちっこさ…
■00:21:44



事実ストーカーというか、全集を読んでいるとわかるけど、すべてなんでも、そこにあって「ああ?」ってなったものに対する執拗すぎる粘着癖を感じる。粘着しすぎてSMどちらでもなくなり、最終的な結論もなくなり、絞り尽くしたからいいみたいな感じで突然それを放り出す…この人の対象が物でよかった
■00:24:25



この靴底から頭皮までナメクジが這い上がるかの如く舐め尽くそうとする執念はなんなんだ…本当に意味がわからない。大岡昇平の頭のおかしさを改めて実感しました。
■00:26:56



普通なら戦記を書くとなれば何かを描こうとするはず。たしかにレイテ戦記も描かれていないわけではないが、大岡昇平がやってるのはそれについて描いたものの羅列と将棋の解説みたいな謎の散文。天誅組、堺港攘夷始末、それからレイテ戦記まで全部こんな感じとは…
■00:33:17



レイテ戦記はすごすぎ…内容もすごいけどやっぱり文章がおかしい。本当にこの大岡昇平の変な文章はなんなんだろうか…何がどうなったらこんな文章を書けるのか全くわからない。
■00:38:06



吉田健一椎名誠三島由紀夫なんかはそれぞれ、前者は口語体みたいなものとして、後者は作文王への道みたいな感じでそれぞれ取り組みの問題としてわかるのですが、大岡昇平のこのどこかのだれかに報告書を書いてるような文章の思い方みたいなのは全然わからない。これがわかるまでファンでいそう
■00:41:27



書いてたらわかってきた…大岡昇平はいわゆるミクロな、盛り上がるような集中するところもなければ、全体的にみてこうだ、というすべてをまとめてこうみたいなマクロな感じもなくて全部ずっと一緒なんだ。なんでThe Fall好きで大岡昇平が好きなのかがわかったような。でもまだつながらないです
■00:48:46