シモーヌ・ヴェイユ『根をもつこと』のこと

根をもつこと

根をもつこと


久しぶりの更新です。思えば一か月近くブログを更新する気力を失い、その他いろいろ大切なものを失い(ログインのパスワードを忘れた)、なかなか更新できずにいましたが、久しぶりに読書をして、久しぶりにネタができたので更新します。シモーヌ・ヴェイユの『根をもつこと』を読んだのでした。

この本は大学時代も何回か挑戦して、そのだらだらした感じにオエーとなって読書を挫折していたのですが改めて楽しく読書しようという気持ちで軽く読んでみると、結構そのだらだらも納得できて、(そもそも草稿のままの遺稿だということも今回初めて知りました)結局愛国心を持て、フランス万歳みたいな時事的なチラ裏的内容だということもわかって、なんだ、これ、別に『自由と社会的抑圧』みたいな小難しいまじめな、論理一貫した本でもなければ、こてこてのキリスト病の本でもない、真面目版アンネの日記みたいなたわいのない本じゃないか、ということがわかりました。ジョン・コルトレーンでたとえると『アセンション』みたいな感じの本ですね。それでだらだらの原因もわかり、いつ結論つくんだよおばさん(ひどすぎる)と思いながら読んでみると結構おもしろい本で、終わり方はやっぱり尻切れトンボでしたが、なるほど、こういうことも言えるんだなあという結構関心したところも多い本でした。なによりシモーヌ・ヴェイユという今を生きていればテロリストになっていたような気難しい、でもその考えてることのギリギリ感が味わい深い人の生の声を延々聞けたというへんな快感のある本でした。訳もとても読みやすく、この本で人生が変わるという困ったちゃんももしかするといるかもしれません!フランス万歳!