エピクロス『教説と手紙』のこと

エピクロス―教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1)

エピクロス―教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1)


ギリシャ!やっぱり古代ギリシャはすごいなあ!エピクロス!その『哲学者列伝』からのほぼ丸写しの一冊から読み取れるその偉大さは、原子論がどうとか快楽主義とかそういうところではなくて、ギリシャ的思考法、ギリシャ的自然観察眼を残しているところではないかと毎度同じギリシャ本の感想ですが、今回もそういうものに痛烈に打たれました。読まなければならないのは天気とか、雷とか雲を解釈している章ではないでしょうか?

「星の光が雲に集まり、そこから凝縮された光が落ちてくるのが雷」

みたいなことが書かれているのですが、この物への対峙の仕方、説明の付け方、自然観、なんて豊かで豊穣なのでしょう・・!!!こんなふうに世の中が見れるなんて、僕は知りませんでした。もうこれは詩です。かつて人間にとって世界は本当に詩だったのではないでしょうか???水滴はCO2とかいうよくわかんない化学記号となって空気中に科学的に漂ったりしているだけで、それは自分の人生や世の中には関係なく、自然は「田舎」に行かないとないとばかり思っていた・・そうではなかった・・・!!!!!!!!本当に期待通りの感動をすることができました。感謝です。岩波文庫は偉大!!